謎の「ガルフブリーズ6」
UFO問題に対して私は基本的に心を開いていく、オープンマインドで接していくつもりですので、「科学朝日」(廃刊)だろうが「ムー」だろうが、おもしろい(興味深い)と思った話は素直に「おもしろい」と言って触れていく方針です。
そこで、『ムー』誌11月号(1994)の総力特集「ガルフブリーズ6衝撃の大予言」はUFOの謎にさらに奥行きを感じて興味深く読みました。
近未来の予知情報についてもかなり具体的に明らかにしており、例えば来年1995年にはアメリカに「ブラック・ガード」と呼ばれる新しい警察システムが正式に発足し、そのユニフォームや紋章のデザインまで紹介しています。彼らには右肩に近い胸にマイクロチップがインプラントされ、電波によってID情報や所在情報の管理が行われ、さらには爆殺指令にも使われるとのこと。
1993年からクリントン政権によって進められていた計画という話ですから、その内容がリークしたともとれますが、それにしてもかなり具体的な情報だと思います。
一方、米国を中心に来年後半から理由なき無差別殺人や自殺が頻発し、当事者たちは「頭の中で響く声がそうさせた」という不気味な証言をするようになるとのこと。
1980年、都内でおきたバス放火殺人事件では犯人が「頭の中で電波の声が命令した」とか言っていたという話を新聞記事で読んだ覚えがあり、それと類似したケースもいくつかあるようですので不気味ではあります。(その後、受刑者は刑務所内で自殺)
またそのころテレビでは、UFOで地球に侵入を図るエイリアンが衛星からの電波で人々を殺人や自殺に追い詰めるというテーマのSF映画(原題「Love
War」)が放送されました。(電磁波と人間の脳や心理及び行動との関係は科学的にはまだ未解明の研究分野だと思います)
1994/10/16
「ガルフブリーズ6」と電波指令
ところで『ムー』誌で紹介された「ガルフブリーズ6」の件ですが、この種のUFOの話題を受け止める際には、話全体が巧妙な仕掛け、あるいは演出、あるいは何らかの作為的なフィクションではないか、と疑ってみる慎重さも必要だと思っています。
6人の脱走兵の存在、ガルフブリーズでの逮捕、そして除隊・・これらは地元のマスコミをはじめ、大々的に報道されていますので一応「事実」であろうと受け止めておきましょう。逮捕のさい撮影されたとおぼしき顔写真、氏名や身分など、記事になったこれらの情報が実在の人物のものでないとすれば、この話は根底から作り話になってしまいます。
「ムー」の記事では、そのうちの中心メンバーの一人にインタビューする形でまとめられ、今年から2045年にかけての予言が大胆かつ具体的に出ていますので、今後この予言が的中するか否かはチェックしていくことができます。(「ガルフブリーズ6運命の予言」ハンス・デービス/学研/1995)
この種のUFOがらみの予言は過去にもありましたが、はずれるのがほとんどです。また当たった場合でも、出版物などによる公表がその後であったりします。あるいは「この予言はまだ公表できる時期ではないので内容は言えない」というワケありの場合もあるようです。
そのような人を食った話が多い中で、今回の予言は一つ一つがかなり具体的で、かつ近未来のものですので、このグループの正体や背景、意図に注意を払いながら、今後の展開を見ていきたいと思うのです。
そこで「電波人間」に話を戻しますが、マイクロチップのインプラントが本当に行われるようになれば、その人間のアイデンティティはそのチップに集約され、身分の照合が確実になる反面、コンピューターと電波による多数の人間の統一的管理も可能になるでしょう。
より高度な機能を持った微小なチップを脳中枢の適当な部位に埋め込むことができるようになれば、個々の人間の行動をもコントロール可能になるかもしれません。そうして施術された人間は、コンピューターと電波で管理されコントロールされる、まさに「電波人間」です。
もう一つの「電波人間」の意味は、電磁波を媒介とする、あるいは未知の情報系によって人間の脳に影響を与え、心理や行動(選択や判断力など)をコントロールすることができるかどうか、ということです。(この種の初歩的研究はすでに1920年代にロシアで行われていました。参考「生物学的無線通信」ベルナルド・B・カジンスキー/新水社/1990)
この場合、果たして電磁波が人間の思考や判断、心理などに影響を及ぼしうるのだろうか、という点についてはまだ十分解明されていないと思います。仮に何らかの影響を及ぼしうることが明らかになれば、放送波とか通信波など、今日の電波文明への影響は計り知れないものがあります。
無数の電波が飛び交っている今日の世の中で、現状では人々の精神や行動が特に変わる様子もないことから「影響はない」と結論付けることもできるでしょう。もちろん電子レンジの中のような極端な条件に置かれれば別ですが。
「自殺せよ」「人を殺せ」などという「声」が鼓膜を通した音声としてでなく心の中に直接聞こえたとしても、それがすぐその人の行動に影響を与えることにはならないと思います。理性が働く限り「こりゃ変だ」とまずその現象に注意を払うでしょう。
問題は、いわゆる心神耗弱あるいは心神喪失といわれる特殊な精神状態になった場合です。健康な人間でもドラッグによってそのような状態になるようですが、この場合、理性が遠退き、「自殺せよ」や「人を殺せ」の声は外部の放送だか、他者からの暗示だか、自分の意思だかの判別がつかなくなり錯乱的な行動を起こしてしまうのではないでしょうか。
LSDなどを服用すると超現実的な幻視を見たり、鋭利な感覚状態になるようですが、それが果たして眠れる感覚器官が目覚め、未知の情報系にコネクトした結果なのかどうかはわかりません。また仮にそうだとしても、電磁波がその媒介をしているのかどうかもわかりません。
電磁波は、それに音声なり映像なりが情報として搬送されていなければ、意味のないノイズに過ぎません。また、送信側と受信側の周波数や復調方法が一致していなければ情報は再生、解読できず、無意味なノイズ同然です。
電波通信が行われるようになった初期の時代に、ETがFM帯でシグナルを送っていたにしても人類はそれに気付かなかったでしょう。デジタル技術が開発される前には、やはり信号は雑音にしか聞こえなかったでしょう。現代は、さらに高度なスペクトル拡散という通信技術が実用化されようとしています。(2000年現在実用化)
日進月歩の電波通信技術は、今後さらに夢のような革命的な進歩を遂げていくであろうと考えるのが現実的だと思います。おそらくその技術革新の延長上に、人間の脳の機能と心や行動に関る未知の情報系の発見がもたらされるのはないか、と私は想像しています。
物質の根源レベルの波動性に関る「波」・・それは無限に人々の思念を蓄え、さざ波のように広がり、あるいはそれ自体が「時間」となって距離を超越していく波・・そんな詩的なイメージの波の存在に気付く時代がそう遠くない未来に待っているような気がします。
そこで、「ガルフブリーズ6」にまた話を戻しますと、多くの人が「アザース(他の者たち)」の声を頭の中に聞くようになると予言された年は、来年後半とのこと。「エイリアン」でもなく、「エンティティ」でもなく、「アザース」と明言されたこの予言が果たして的中するものかどうか。
1994/10/18
(2000年4月現在、そのように予言された状況にはまだ至っていないようです。しいてあげれば、その後何件か起きたカルト・グループの集団自殺事件などがこれに該当するのでしょうか)
「声の主」はいったい、何なのか
精神病理学的な「幻聴」については、症例として古くから報告されています。村上仁著『精神病理学論集2』(みすず書房/1971)にも「頭の中に聞こえるラジオ放送」の症状を訴える精神分裂病患者の事例が出ています。しかし、症例として病理学的な分類が行われたからといって「幻聴」のシステムが解明されたことにはなりません。
ある人に「宇宙人の声」が聞こえ、そのメッセージのとおりの時間と場所にUFOが目撃されたとか、具体的なことが起こったりした場合、それが一度ならず二度三度とその人の周りに生じ、シンクロニシティが自覚されれば、おそらく当事者はそのメッセージを信じざるを得なくなるのも無理からぬことだと思います。
現実にそのようなことが起こったとしても、悲しいかな、それらは精神病理学的な範疇で解釈されてしまいがちなので、第三者に堂々と告白するのは勇気がいることで、大方の人は沈黙してしまうのではないかと推測されます。
問題はその声の“ソース”で、いったいそれは自分の隠されたもう一つの人格なのか、霊的なものなのか、それとも異なる世界の知性なのか、あるいはその他の要因なのか、を慎重に分析、判別していくことが必要と思われ、たんに「妄想」とか「○○症候群」と分類しただけでは問題を解明したことにはなりません。しかし、これをマインドコントロールに関連させて捉えてしまうのも短絡的でしょう。
これらの“声の主”を私は知る由もありませんが、例えばジャック・バレ氏の『マゴニアへのパスポート』で採録された証言では、ソ連の地下鉄ホームでプラズマ学者が突き落とされて死亡した件に関して、被告人は「宇宙からの声に命令され、その命令を拒むことはとても不可能だった」と申し立てた、という話があります。
ソ連の犯罪学者は、近年、この種の犯罪が増加していることに頭を悩ませているらしい、とのことでこの記事はおそらく1960年代に書かれたものだと思われますが、現在もそういうケースが多発しているかどうかは不明です。(参考『ソ連・東欧のUFO』ヨーン・ホバナほか/たま出版/1990)
これらの「頭の中に響く声」に潜在的に悩まされている人がおおぜいいるとすれば、かなり重要な社会病理的問題ではないかと私は思っているのですが・・。
1994/11/06
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