巨大隕石の衝突の可能性も視野に
米国防総省が対策の研究に着手
人それぞれのカウントダウン
2月19日(1997)の新聞に米国防総省が、巨大隕石が地球に衝突する可能性やその対策についてNASAと共同で研究を始めたことを明らかにした、という記事が出ていました。この研究は「地球接近小惑星追跡プログラム」と呼ばれ、カミンスキー国防次官の指示で始められたのだそうです。
研究グループは巨大隕石の衝突が将来人類の脅威になり得るのか、何らかの備えをする必要があるのかなどを検討し、今年10月に報告書をまとめるそうです。観測技術が発達し、隕石の軌道や落下時期がかなり正確につかめるようになったことが研究を始めた理由のようです。
あのシューメーカー・レビー第9彗星が木星に激突したのは3年前、1994年7月でした。これが地球に激突していれば、今頃われわれは宇宙の塵と消えているわけです。宇宙的スケールから見ればごく近所の出来事になり、対岸の火事として見過ごすわけにはいきません。当時、彗星の木星衝突を世界に先駆けて軌道計算をしたのが日本の研究家、中野主一氏でした。(『巨大彗星が木星に激突するとき』渡部潤一著/誠文堂新光社)
今後もし同様の巨大彗星が接近した場合、米国防総省やNASAでなくとも一般の研究家によって発見され、軌道計算を行うことが可能だと思います。SL彗星の場合、発見されたのが1993年3月24日、木星激突まで1年4ヶ月の猶予期間があったわけですが、地球激突が予測された場合、その間に人類はどのような備えをするのだろうか?
「神様、仏様、UFO様」となってしまうか、残された日々をいつも通り会社に遅刻しないよう「行って来るよ」と妻に言い残して家を出ていくか、その妻は「行ってらしゃい」と玄関で夫を見送るか、多分、自分だったらそうするでしょう。というより、「そうするっきゃない」のよ。
水のバプテスマかお清めか知らないけれど、「備えよ」といわれても備えようがないので普段通り淡々と生活していくしかありません。このような「予言」はほどほどにしておかないと人心を惑わす「風説の流布」になりかねないので、慎重にしてもらいたいものです。もっとも「予言」をどのように受け止めるかは個々人の判断といってしまえばそれまでです。
巨大彗星の接近が観測され軌道計算された結果、地球に激突することが予測された場合、これは「予言」ではなくなります。それならそれで、あっさりあきらめるしかない。
多分、激突までの1年くらいの間に子孫存続のための人類代表者の選定が厳粛に行われ、その人々は激突直前にシャトルなどで宇宙空間に避難し、他の選ばれた少数の人々は他の生物の遺伝子ともども地下シェルターに避難するでしょう。
金持ちは私設のシェルターを自分の敷地に掘って避難しようとするでしょうが、どんな大金払っても仕事を受注する業者がいるかどうか疑問です。ある人たちは享楽にふけり、ある人たちは絶望のあまり自ら命を絶ち、ある人たちは精神に支障を来し、ある人たちは急いで結婚式を挙げ、ある人たち呪文を唱えるかもしれない。
パニックになるか、それとも異様な沈黙の中で人々は「その時」を待ち迎えることになるのかわかりませんが、映画のような話が事実となる可能性はゼロではない、とだけは言えると思います。
1997/03/15
「風説の流布」か、「予知情報」なのか
日本スペースガード協会のホームページからの情報では、1996年5月、地球にニアミスした小惑星1996JA1 は、最接近のわずか5日前にアリゾナ州ツーソンで大学院生により発見されたのだそうです。その直径は250m〜300mと推測され、密度を1立方cmあたり2.7gと仮定し、秒速26kmで地球に激突したとすると3千から4千メガトン級の原爆に匹敵。エネルギーは広島型原爆の約15万倍に相当するのだそうです。観測史上6位のニアミスとはいっても距離45万3000キロで、地球と月の間の距離38万4000キロより離れています。
万が一この規模の小天体が陸地に落下すれば巨大クレーターができるでしょうし、海に落下すれば想像を絶する大津波に襲われ、湾岸都市はあっという間に洗い流されてしまうでしょう。まさに水の洗礼といったところです。
衝突まで数日しかない時点での発見では、落下予想地域がパニック状態になるのは必至で、危機管理という面から、このような事態を想定したシミュレーションやマニュアル作りも決して無駄ではないと思います。宇宙からの文字どおり「天敵」を想定した迎撃ミサイルの配備が今後現実味を帯びて来そうです。米国防総省が調査に腰を上げたのもそんな理由からでしょうか。
少なくとも過去数千年、このような規模の小天体が地球へ落下したことがなかったとすれば、なおさら数千年に一度の確率で起こり得る可能性が徐々に高まっているともいえるわけで、これはいずれ人類文明が乗り越えなければならない宇宙的な試練の一つかもしれません。そのときに国と国とが互いに大陸間弾道ミサイルを相手に向けて敵対しているようでは人類共倒れになってしまいます。
ロシアでは緊急事態省の緊急事態予測センターにおいて、さまざまな災害に対し、占星術師や超能力者たちを積極的に活用しているのだそうで、宇宙からの天災に対して超能力者の透視能力が果たして効を奏するものなのか、そのような観点からも私は関心を持っています。
もし「透視」できたとしても、確かな裏付けのないファジーな情報をどのように流していくのか。「風説の流布」と「予知的情報」をどのように国家機関が弁別し、判断し、評価していくのか。地震予知と同様難しい問題があると思います。私としては「超能力など存在しない」などと潔癖なことを言ってないで、想定される危機に対しては、可能なあらゆる対策手段を検討してみる姿勢は持つべきだと考えています。
1997/03/20
サブメニューに戻る
---aquara