いつになったら真実がわかるのか
「日の丸ロケット」の不調が続いて損失額が高騰し、今後の日本の宇宙開発に暗雲がたちこめています。本家米国でも特に火星の探査はトラブルが相次ぎ、大きなダメージを受けています。「火星に水はあるのか」「火星で物音が聞こえるのか」といった疑問の答えはまたしばらく「おあずけ」になってしまいました。連綿と続く「火星の謎」、1993年マーズオブザーバーのころを思い返してみましょう。
火星の空、大気は(本当は)どうなっているの?
「ニュートン」誌(1993年8月号「徹底検証・火星に生命はあるか」)の火星の写真、確かに明るい空がうっすらと青みがかっています。この写真では、一緒に写りこんでいる星条旗らしき白と赤の模様が、カラーバランス的に「白は白らしく、赤は赤らしく」自然のように見えます。
この記事の筆者は火星探査機バイキングの生物検出方法に疑問を呈しています。この写真をどういうルートで入手したのでしょうか。どうも以前からNASAのマスコミ向けの公表資料以外に何か隠されている、あるいは意図的に発表資料を選んでいるのではないかという気がしてなりません。
ただ火星や金星に田園生活を楽しむ人々の暮らす都市があるとは思えませんが、観測基地やUFOの地下駐留基地などはあっても不思議ではないし、また地球人類の発祥(入植)の秘密に関る何らかのモニュメントのようなものが月や火星で既に確認されているのかもしれません。
だとすれば統治上の高度な政治的判断により、種々の映像データなどの発表がコントロールされている可能性が大きいと思います。ソ連の崩壊後、ロシアルートでそういう極秘情報が怪しげな情報と混ざって漏れてくるのではという期待もあります。
バイキング1号が送ってきた火星の写真の経緯については、水島保男氏の『新第3の選択』(たま出版/1983)でも触れています。ブルーバックスの『現代天文学小事典』の「火星」の項を読みますと、「バイキングのTVカメラに映った火星の空の色は、予想された青黒さではなく、むしろ紅鮭(べにざけ)色であった」と書かれています。
ここで「予想された青黒さ」とは、火星の大気圧が5.5mb(現在はhPa=ヘクトパスカル)と地球の200分の1の薄さのため、ちょうど地球の高山の山頂から空を仰いだときの空の青黒さ以上の濃さに見えるものと予想されていたのではと思われます。
ところが、「むしろ紅鮭色であった」とあるのは、空中に舞い上がっている粉塵のせいであろうとしています。ここで一つの矛盾を感じます。ほこりが舞い上がるのは「風」、すなわちある程度の濃度の「大気」があるからです。バイキング2号の観測データから結論づけられたという、5.5
mbの大気圧で果たして火星の空を紅鮭色に染めるほどの粉塵を舞い上げることができるものなのか、疑問です。5.5
mbの大気圧は、地球では高度約40キロ、成層圏における気圧に相当します。ここから見た空、あるいは地平線付近はどのように見えるのでしょう。もちろん大気の組成の違いも考慮しなければならないと思います。
中冨信夫著『宇宙はここまでわかった』(主婦と生活社1992)では、バイキング1号、2号の着陸探査機により3年間にわたり大気組成が測定され「火星の平均表面(地球の海水面0m)の大気圧は7mbである。(中略)しかし、わずかでも大気圧があるために風が吹き、砂塵が舞い上がって砂嵐が起きる」とあります。
バイキングの観測データが本当に地表(火星だと火表?)のものなのか? 写真に映った火星の空の明るさそのものが、かなりの濃度の大気が存在することの証明ではないのか? たしかに、素人の私でもいろいろ疑問に思います。
1993/08/19
「通信途絶」のマーズオブザーバー
いろいろトラブルの続くNASAですが、火星に接近中だった火星探査機マーズオブザーバーの通信途絶に関して、30日付(1993/8)毎日新聞の夕刊社会面に「火星人」という題のコラムが載っていました。
「火星の人面像」について、「この顔は記念碑の可能性があり、火星に知能を持った生物がいる」と主張するカリフォルニアのソノマ州立大学のマックダニエル教授が、ワシントンで記者会見を行い「探査機が火星に接近したので、写真をすべて公開するよう」NASAに要求したそうです。
「すべて」というからには、発表されないものもあるということです。しかしその後探査機の通信が途絶、このコラムの筆者の中島健一郎氏は「もし画像が送られてきたらどれだけ火星の秘密が分かったことか!本当に惜しい。でも今、星空を見上げると平和に暮らしたい火星人がマーズオブザーバーを破壊したような気がする」と真面目なトーンで書いています。
私もこの件に関しては「いったいどうしたんだろう?」といろいろ思いを巡らしていました。通信途絶の理由は、NASAの報道発表によると、同機のシステム管理を行う時計のトランジスタの故障ということのようです。「いまさらトランジスタの故障?いったいNASAの技術者は、1千億円もかけたプロジェクトの中枢にどんなポンコツ時計を使ったんだろう?」と思ったものです。
つまり探査機と地球のステーションを結ぶ生命線である「通信機能」を司る重要な部分であれば、故障してもバックアップできるようなシステム上の配慮が当然されているもの、と私は思っていましたから、ずいぶん原始的なトラブルでポシャってしまうものよ、とあきれたしだいです。
しかし過去のケースを丹念に調べていくと、「原因不明の通信途絶」というケースがかなりあるように思います。そしてある場合は、また通信機能が突然復帰することもあります。目に見えない宇宙空間のこと、UFOが探査機に接近しチェックをかけたとしても、地球からはまったく分からないわけで、この可能性も否定できないような気がします。
「トランジスタの故障」と発表しようが「コンデンサの不良」と発表しようが、システムに詳しい関係者であれば対外的に適当な理由が用意できるでしょうから、報道発表をそのまま信じるのには抵抗を感じます。今回のケースもUFOを認めたがらないNASAの苦しい逃げ口上のように思えてなりません。
1993/08/31
謎は深まるばかり
読売新聞(1993/8/31)の解説のページでは「火星へ国際連携の時期」という見出しで、マーズオブザーバーの通信途絶と他の火星探査プロジェクトへの影響について書いています。この中で、「旧ソ連の火星探査機はトラブル続きで17機のうち13機が失敗したといわれている」そうです。今回の事故でNASA内部でも「火星人が妨害電波を出した」などのジョークが飛び交っているという話です。
米ソの火星探査機がこのような高い頻度で、火星近辺で隕石や小惑星などの微小天体に衝突するというのも不自然のように思われます。もしそうであれば、今後もそのような高いリスクを覚悟しなければならないでしょう。今回の事故に関して、そのよのうな天文学的な議論や、機器本体のメカニズム上のトラブルに関する議論とは別に、「その他の可能性」について考えてみたいのですが、一つには、「本当に通信が途絶したのだろうか?」という疑問があると思います。
つまりあらかじめセットまたは司令されたプログラムに従い、「通信途絶」の段階から他の管制系統(非公開)に移ったのではないか、という可能性はどうでしょうか?
国家的プロジェクトであれば、軍事目的でない限り、計画立案、費用の見積り、機器の設計・製作、調達、組み立て、打上げ、飛行管制の各プロセスは公開を建前として進められるでしょう。そして世界中の人たちが、果たしてどんな鮮明な火星の映像を送ってくるのか、固唾を飲んで見守っていました。
1976年のバイキング2号が送ってきた映像よりはるかに高精細な映像が期待されていたのです。NASAが
「光線のかげんで地面の凹凸が顔に見えただけ」と取り合わなかった例の「人面像」
の謎にも決着がついたはずです。これは「何らかのモニュメントである」という可能性のほうに分があると私は見ているのですが、もしそれがはっきりと確認された場合、その衝撃は計り知れないものがあるのではないでしょうか?
今回のマーズオブザーバーの「失敗」表明による今後の宇宙開発関係予算への影響に対する懸念より、もっと深刻な社会的影響が生じることを懸念したのではないだろうか? つまり火星の真相を知るのはまだ時期尚早であり、現時点での公開は既成の人類史観とか宗教体系、政治構造などへの不安定要因になりかねない、と。予算はまた今後の政治的成り行きでどうにでもなると踏んで、それ以上に深刻な国家的影響の方を回避したのではないだろうか?
それと高精細な火星の映像自体きわめて高度な価値を持っており、世論の公開要求の高まりに応じてそうやすやすと全部公開してしまってよいのだろうか? こんなことからNASAを統括する国家最上層部が、もし「現情勢での公開は好ましくない」という結論に到達したとすれば、一つの方策として「撮影は成功したが映像のすべては公開しない」として疑惑を招くより、「通信途絶−撮影不能」という煙幕を張った方が無難、と判断したかもしれません。
あらかじめプログラムされたとおり、火星への周回軌道に乗る3日前にそれまでの通信のチャンネルを閉鎖、以後極秘の飛行管制系統に移り、姿を消した「ステルス・マーズオブザーバー」は予定どおり火星に接近し、メモリーに蓄積した画像情報を、他の非公開チャネルで送・受信する、という技術的可能性はどうでしょう?
スペクトル拡散方式によるデータ送受信が採用さ
れていれば、他国の研究機関がシグナルを傍受することは無理でしょう・・などとSFっぽい想像がふくらみます。もちろんこの考え方は、世界各国が火星探査に向け、提携を始めようとしている現在、非現実的であるとも言えます。そこで、「その他の可能性」のもう一つ、「UFOあるいは地球外知性体の干渉」についてはまた後日考えてみたいと思います。
1993/09/04
海軍関係者が事故調査委を統括
NASAのゴールディン長官が8月26日、今回のマーズオブザーバーの事故調査委員会の代表に指名したティモシー・コフィー博士は海軍研究所の所長(director
of research)のようです。こういう場合、民間人は起用できないのでしょうか?
JPL/NASAから出されている「MARS OBSERVER
STATUS REPORT」を読むかぎりでは、今回の通信途絶の原因として新聞報道されたシステム時計の「トランジスタの故障」という言葉は見当たらないようです。システム・クロックの心臓部には水晶発振子が使われており、バックアップ用の予備の回路(Redundant
Crystal Oscilator=RXO )への切り替え指令も試みられたようです。
また STP(Standard Control Processor)
には、1と2の二つの系統を備えていたようです。いずれにしろ、それらの試みには「応答なし」の状態で、深宇宙探査用のアンテナの走査にも引っかからず、宇宙空間のどこかへ「消えてしまった」ようで
す。
通信がプッツンしてしまったのは8月21日で、火星周回軌道に入る3日前。システムの電源供給部、中央制御部(コンピュータ)、通信系統、各種センサはいずれも探査機の中枢にあたりますから、堅牢かつ十分なバックアップが行われているでしょう。使用されている電子部品も軍事用などに使われる極めて信頼度の高いものでしょ
う。1千億円のプロジェクトに民生用の部品なんかは使わないでしょうし、もしこのようなメカニズム上の故障が原因だとすれば、プロジェクト全体の技術的な水準の問題にもなってしまうと思います。
ボイジャーやマゼランなど各種探査機成功の実績と
技術的な蓄積があるのに、なぜ今回のような「通信途絶」という致命的なトラブルが生じたのか、今後の調査委員会の報告などを注視していく必要があると思います。
今回の調査委員会の代表に海軍関係者が指名されたというのも、なんとなく意味ありげです。ステルス軍艦をはじめ、最先端の秘密軍事研究のメッカのような所ですから、一般には公開できないなんらかの秘密目的があると考えておいたほうが真実に近いかもしれません。
1993/09/06
青いときもあれば赤いときもある
私も新聞に大きく掲載されたバイキングの火星写真を食い入るように見て興奮した者の一人です。地表には黒い岩や石が無数に転がっていて、その中になにか生命のしるしなどが見つからないものかと目を凝らし、フォルクスワーゲンみたいな岩が見える、とかいってはしゃいでいました。そして空の色。
当初、天文学者の間では火星の7mb程度の大気密度から、ちょうど地球の高山の頂上から空を仰いだ感じの青黒い色を予想していたようですが、結局猛烈な砂嵐による粉塵のため火星の空が赤っぽくなった、というのが通説のようです。
『Newton』誌8月号(1993)で火星の生命について特集が組まれ、そこに掲載されていた写真には火星の空が明るい水色に映っていました。しかし同誌の副編集長である高倉克祐氏の『世界はこうしてだまされた』(1994年)では、バイキングの写真に関してカール・セーガン氏の説明を引用する形で、最初に発表した写真は担当技術者が「空は青い」という先入観にとらわれていたため色補正を誤ったもので、惑星科学者が不審に思い調べるてみるとカラーバランスが崩れていることがわかったので、翌日正しい色の(赤っぽい色の)写真に訂正して発表したのだそうだ。問題の写真にはアメリカ国旗とカラースケールも写っていて、後から発表された写真には本来の色で再現されているという話。
以上のことから解釈すると(少し苦しい)、要するに火星の空は赤っぽい状態と青っぽい状態の両方があるようで、バイキング探査機が砂嵐の吹きすさぶ所に着陸したのかどうなのか、真相はよくわかりません。
最近はガリレオ探査機が送ってくる木星の衛星イオやガニメデ、エウロパの映像がインターネットで提供されています。火星よりはるかに遠い木星の衛星の探査ができるのに、なぜマーズオブザーバーなどの火星探査機の失敗が重なるのか、これも不思議といえば不思議です。
1996/08/23
「ライトブルーの明るい空」が当初の報道
ちなみに1976年7月22日の朝日新聞ではJPLから最初に発表されたカラー写真を見た記者が「火星 さえる岩の“青”」の見出しで紹介し、その空について次のように表現しています。
>ライトブルーのきわめて明るい空には雲らしいスジと地平線近くにカスミのような線が二〜三本走っているのが見える。<
新聞に掲載された写真は白黒ですが、記者が入手した写真は地球の空と見まがうほどのものだった様子がうかがえます。当時、私はこの最初に発表された映像を新聞で見たのかTVニュースで見たのか定かではありませんが、その後火星の写真といえば訂正後のセピア調のものが一般的になってしまいました。
1996/09/01
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