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アダムスキーと真空管モデル 太陽系の各惑星に人が住んでいる? |
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『空飛ぶ円盤の真相』を読み返してみて、妙に自分の心をとらえた話に、「太陽系と真空管」の話があります。最近は秋葉原に行っても、真空管を売っている店はごくわずかになり、しかも限られた品種で値段も高く、かなり高級な趣味の世界になってしまいましたが、アダムスキーが元気だったころ、ラジオには真空管が使われていました。真空管を使ったテレビも家庭に普及していたころです。そこで彼は、地球よりも太陽から遠い外惑星、土星や海王星、冥王星が、なぜ温暖で地球に似た大気や気候を「楽しめる」のか、その理由の説明に真空管をモデルとして取り上げたのです。 1974年ころ、私はこの部分を読んで大いに感心しながら、なにかキツネにつままれたような気分にもなりました。天文学の成果とまったくちがうアダムスキーや宇宙人の話、彼らはきっと眉に唾付けながら嘘八百を話して得意になっていたのではないか、とシラけてしまったのです。 私は今、CRT型のディスプレイを見ながらこの部分を書いているのですが、アダムスキーはこのCRT(いわゆるブラウン管)の仕組みをモデルにして、太陽から遠い惑星がなぜ地球に似た気候を持ち、なぜ十分な太陽エネルギーを得ているのかを説 明しました。これはいわば、アダムスキーメッセージの根幹を成すものです。地球外惑星に高度な文明が築かれ、彼が接触した宇宙人はそれらの惑星都市を拠点にして地球を訪問しているという主張の基本になっているわけです。したがって、この主張が崩れれば、他のいかなる主張も信憑性を失い、控え目に言って「夢物語」、これまでの影響の数々を考慮すれば、UFO界最大の「ホラ吹き屋」ということになります。 この「真空管」モデルを端的に言うと、太陽から放出されるエネルギーは、火星と 木星の間、海王星と冥王星の間、そして未発見の惑星の最外周にある合計三つのアステロイド帯で加速、強化され、遠方の惑星にも十分な太陽エネルギーが供給されるのだ、という考え方で、そうして到達したエネルギーは各惑星の大気を透過する際に熱エネルギーに変わる、ということです。これは非常にユニークな考え方で、アダムスキーのメッセージのオリジナル性や信憑性を判別する鍵になる部分だと私は考えます。そして、この主張が立証されれば、逆に今日の惑星天文学は根底から覆されるこ とになります。 この考え方について、アダムスキーを強く支持する深野一幸氏は『地球大破局か らの脱出』(廣済堂出版)という本で言及しているそうですが、残念ながらいま手元 にその本がありません。(他の3冊はあるのですが・・) 太陽系の最果ての星、冥王星の空に輝く小さく弱い太陽と文明都市、そこに暮らす住民たち、考えただけでも幻想的で、昼とも夜ともつかないそのような世界を一度見てみたいと思いますが、今日の天文学ではそれは単なる幻想に過ぎません。 より太陽に近い木星でも惑星探査機、パイオニア10,11号、ボイジャー1,2号などによる観測データの解析から、木星は巨大な液体水素の塊で 表面付近の温度はマイナス139度、また第7惑星の天王星は大気層の表面温度がマイナス220度で、しかも自転軸が太陽に対して横倒しになっているため、自転 に伴う昼夜の交替はなく、地球時間で42年ごとに昼と夜が入れ替わる世界です。 逆に内惑星の水星は、地表温度は昼側で350度に達し、夜側でマイナス160度 という観測結果が出ており、どうやら水星人の存在も怪しいものです。太陽の輻射エネルギーは距離の二乗に反比例して減衰する・・これを承知でアダムスキーは、独特の真空管モデルを思い付き、遠い惑星にも十分な太陽エネルギーが到達すると考えたのでしょうが、近年のNASAの惑星探査の結果は彼の主張をますます怪しいものにしています。彼の主張に言葉を加えれば、外惑星に対しては、減衰を打ち消すために距離の二乗に比例して太陽輻射を増強する他のエネルギー要素が必要であり、内惑星に対してはその逆の減衰要素が必要になります。 彼が現在も健在だとしたら、太陽系の諸惑星の「温暖な気候」を説明するのに、秋葉原のジャンク屋にしかないような真空管をモデルにするでしょうか?それとも「太陽系は巨大な粒子加速器だ」とでも言うのでしょ うか。 私としては他の惑星にもそのようなパラダイスがあってほしい、という夢は失いたくありません。今日の天文学が示す荒涼、殺伐とした各惑星の姿より、その方がよっぽど魅力を感じますが、しかしこれは、逆に「太陽系の中で地球はほんとにかけがえのないたいせつな生命の星なのだ」という厳しい宇宙の現実を再認識させてくれます。 1993/01/31 サブメニューヘ |